東日本大震災で被災された大槌の学校の吹奏楽部に楽器を寄贈したしたのは既報ですが、このたび茅ケ崎中央ロータ リークラブでは、スプリングコンサート・なぎさ倶楽部のご理解をいただき、大槌中学校吹奏楽部を招待し、スプリン グコンサートに出演していただくことになりました。

17th SPRING CONCERT

3月25日 日曜日 開演11時00分
場所  茅ケ崎市民文化会館大ホール

市内中学校9校 大槌中学校

大槌中学校吹奏楽部顧問より現地の被災状況と現況、そして吹奏楽部のみなさんの練習風景などの報告を頂きました

大槌中学校吹奏楽部(被災報告)

大槌町立大槌中学校  顧問 伊藤 英利子

 東日本大震災により、大槌町は町の中心部が被災し、多大なる被害を受けました。  大槌中学校は津波で校舎の一階まで浸 水し、天井まで壊れました。  また、音楽室の下の調理室や、柔道室や技術室が津波の後の火災で燃えました。  その後すぐ、体 育館は遺体安置所として使われました。 校庭もがれき置き場等に使われ、学校自体も元々老朽化が進んでいたため、学校と して使用することができなくました。
 学校は3月11日は卒業式の予行練習と準備の日だったため、生徒は係の生徒以外午前中で下校していました。  地震や津 波の起こった時間帯は、学校にはほぼ職員だけ残っていたので、生徒達は自分の場所からそれぞれ避難したそうです。
 電話などの連絡手段がなく、避難場所も様々でしたし、学校がなく拠点を置く場所もなかったため、なかなか生徒の安否確認 ができませんでした。 職員の車も流されたため、交通手段や連絡手段など様々不便がありました。
 大槌中学校の生徒の被害は、2年生の生徒2名でした。  家族は、母や父を亡くした生徒や兄弟を亡くした生徒もいます。 
 祖父母はかなりたくさんの生徒が亡くしています。  吹奏楽部は、3年生に親を亡くした生徒が数名いました。  祖父母を亡くし た生徒は多数います。  約半分の生徒が家が被災し、仮設住宅や親戚の家で生活しています。
  悲しい状況でしたが、3月末から避難所を回って顔を合わせると、吹奏楽部の生徒達は皆、「楽器は無事か?」、「いつから練 習できるか?」、「コンクールは出られるのか?」などという質問をぶつけてきました。

     ●震災後の大槌町の写真(町の中心部)

 吹奏楽部の楽器は、体育館の2階の楽器庫と部室に置いていたため、学校に置いていたものは無事でした。  生徒の家にあっ た楽器や備品、楽譜などは流されてしまいました。  速く楽器を取り出したかったのですが、遺体安置所になっていた体育館には 生徒はもちろん、職員もなかなか入ることはできませんでした。  また、楽器を運ぶ場所や練習場所をどうするかで、しばらく頭を 悩ませることになりました。

     ●被災した大槌学校の昇降口

     ●被災した1階校舎         

     ●校庭と校舎

 学校は4月20日から、町内の吉里吉里中学校と大槌高校を間借りして再開しました。  1・2年生は吉里吉里中学校、3年生は 大槌高校と2つに分かれ、入学式や集会などで全校が集まるときは吉里吉里中学校を借りて行いました。  生徒達は全員スクー ルバスで決められた時間で登下校し、学校間の移動もスクールバスで行いましたので、活動はかなり制限されました。
 吹奏楽部は、5月1日に内陸の学校からチャリティーコンサートに誘っていただき、それに間に合わせるために4月末に職員全 員で楽器運搬をすることができました。   楽器置き場や練習場所は、3月下旬から職員室を間借りさせていただいていた吉里吉 里中学校を貸していただくことができました。
 部員の吹奏楽をやりたいという思いの強さで、約2ヶ月の間を置いてどうにか部活動を再開させることができました。   練習ができ る日や練習時間の確保には、未だに苦労していますが、震災から1年が経ち、少しずつ練習のペースを取り戻しています。
 また、活動資金をどのように捻出していくか悩みましたが、全国の皆様からいただいた多くの義援金に助けていただきました。 
 義援金は、備品や消耗品、楽譜の購入、楽器輸送費などに充てることができました。  また、家庭からの集金額も大幅に減らす ことができました。  また、昭和や平成前期の古い楽器が多く、購入資金の捻出や町への掛け合いをし始めた矢先の震災でした。
 たくさんの楽器のご支援が、私達の励みにもなりました。
 仮設校舎が完成し、9月22日からやっと全校が一つに集まっての生活が始まりました。  行事なども縮小しながら行うことができ ました。
 吹奏楽部も、10月に、町内の体育館で念願の定期演奏会を開催することができました。  中学生の元気な演奏と姿で、大槌町 を元気にしたいという思いで臨みました。  定期演奏会の諸費用も、全国の皆様からの義援金で賄うことができました。
 大槌町は、被災した店舗が開店し始め、少しずつ明るさを取り戻してきています。  町全体を見るとまだまだ悲惨な傷跡は残って おり、復興にはかなりの時間がかかりますが、中学生の頑張っている姿で大槌町の皆様を元気づけていきたいと思います。
 また、全国の皆様からいただいた励ましとご支援を忘れず、吹奏楽部の頑張りと演奏で恩返しができればと思い、練習に力を入 れています。

     ●定期演奏会の写真